アクアリウムの基礎

ワムシの特徴やメリット、デメリットについて分かりやすく説明させて頂きます。

1度はアクアリウムを楽しむうえでワムシという言葉を聞いたことがあるかもしれません。

ワムシはブラインシュリンプを食べることができない孵化後の生体に与える生餌としてよく使われています。

しかし、今までに生体を繁殖させたことがなかったり、人工餌しか使用したことがない方にとってはハードルが高く感じられると思います。

今回はワムシの特徴やメリット、デメリットについて分かりやすく説明させて頂きます。

今回の記事では下記について書いていきたいと思います。

ワムシとは

ワムシとは,輪形動物門単生殖巣綱に属する生物の総称で,その種類は約2000種以上いると言われています。

輪形動物とは一般的に分かりやすくいうと動物性プランクトンのことです。

ワムシの中でも浮遊しやすい種類や固着しやすい種類があります。

現在、沢山いる輪形動物の中でも主に海水魚や淡水魚問わず、初期餌料として使用されることが多いワムシはシオミズツボワムシです。

シオミズツボワムシは海産ワムシで、ブラインシュリンプと同じように塩分のある湖や汽水域に自然界では生息しています。

最近では、池等に生息していることが多い淡水ワムシ(ツボワムシ)を培養して淡水魚の初期飼料としてあげる方も増えてきております。

ワムシの大きさについて

ワムシはタイプでサイズが異なり現在、大きく分けると3種類あります。

SS型ワムシが80μmより小さく、S型ワムシで80~220μm程度、L型ワムシで130~340μm程度と言われています。

同じワムシのタイプでも水温、塩分、餌料等の培養条件によって,サイズが10%前後変化すると言われているので、あくまで参考にしてください。

ワムシのメリット

ワムシのメリットは2つあります。

ブラインシュリンプを食べることができない生体でも摂取できる。

生まれたての生体のサイズによってはブラインシュリンプも大きくて摂取することができない生体もいます。

ブラインシュリンプは大体400μmと言われているので、基本的にワムシの方がL型サイズでも1周り小さいです。

その為、ブラインシュリンプでも食べることができない生体でもワムシの種類を選んで培養することで、歩溜まりがかなり向上します。

淡水ワムシは水を汚しにくい。

シオミズツボワムシは淡水では生きられないので、無理ですが、淡水ワムシであるツボワムシは基本的にはデトリタスや細菌、藻類等を餌にしています。

淡水ワムシを生体の餌として入れる場合、生体が食べきれなくて残った場合でも、デトリタスや細菌、藻類を食べ、生存することができます。

淡水ワムシはその為、水を汚しにくいです。

ワムシのデメリット

ワムシのデメリットは2つあります。

ワムシを培養し続けるのが難しい。

ワムシ、淡水ワムシ共に安定して培養し続けるのが難しいです。

私も何度もチャレンジしましたが、継続して培養するのはかなり難しいです。

初めはエアレーションをして淡水クロレラを与えているとどんどん増殖し、容器内で過密になるほど増えます。

しかし、過密になりすぎると今度は水質が悪化するのか2日くらいで全滅したり、かなり数が減少します。

その為、培養していた時は4日おきくらいに新しく立ち上げるか、容器の水を5分の4程抜いて新しい水に換えて淡水クロレラを与えるようにしていました。

それでも、1か月くらいするとワムシ以外の微生物が外部から入って増殖してしまうため、顕微鏡でワムシだけを採取して新しく立ち上げるか、新しいワムシを購入する必要がでてきます。

その為、なるべく外部から別の微生物が入らないよう、水槽で培養するのではなく、口が細くなっている焼酎のペットボトルや特殊加工されているペットボトルを使用するのがお勧めです。

ワムシの餌自体も手間がかかったり期限がある。

ワムシの餌としてよく使われているものとしてクロレラ、パン酵母、濃縮クロレラ等があります。

パン酵母は安価で買えるので使用されることが多いですが、ワムシの増殖率にばらつきがあったり、水質が一度に崩れたことがあるので、濃縮クロレラが終わってしまった時の緊急用として使う程度にするのがお勧めです。

又、パン酵母で培養した場合、栄養価が低く、ワムシ自体の正常な生残や発達が認められないという結果もでているそうです。

その為、パン酵母で培養する場合生体に与える前にワムシを栄養強化する必要があります。

個人的には濃縮クロレラを与えるのが1番安定してワムシを培養することができ、手間自体もそんなにかからないと思います。

しかし、濃縮クロレラは生きたクロレラを濃縮している為、冷蔵庫で保管して2週間から1か月という消費期限があります。

現在、インターネットやお店等で購入できる濃縮クロレラはクロレラ工業株式会社さんで販売されている生クロレラ10リットルを小分けに詰め替えたものが多いです。

大元の濃縮クロレラの消費期限によって到着後の生クロレラの期限が異なってくるので、確認すると安心です。

注意したい点として購入時、常温で送ってくる場合がありますが、なるべくクール便で発送している所で購入するのが大切です。

何故かと言いますと生きたクロレラを濃縮しているため、常温で発送されると到着直後は分からないかもしれませんが、中で死んでしまっていたり、変色してしまっている可能性があります。

クロレラが死んでいる場合、ワムシが上手く培養できなかったり、全滅してしまう可能性があります。

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まとめ

簡単に今回の記事をまとめます。

・ワムシは淡水ワムシと汽水域に住んでいるワムシがいる。

・サイズはSS型、S型、L型と大きく分けて3種類いて生体のサイズによって調整できる。

・ブラインシュリンプが食べられない生体も育成でき、歩溜まりもよくなる。

・淡水ワムシは水槽内で生存し、水を汚しにくい。

・ワムシを安定して培養するのは難しい。

・餌である濃縮クロレラは生きている為、消費期限があったりするので、確認が必要。

・濃縮クロレラがどのように発送されてくるかも大切。

ワムシを与えることで今まで中々、歩だまりが上がらなかった生体でも歩だまりがよくなることが多いので是非、試してみてください。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

ABOUT ME
XYL1SH
アクアリウムという趣味がもっと気軽に出来て繁殖の面白さを知ることができたら楽しいのではないかと思い、記事を書き始めました。 私が培ってきた経験や知識を元に書いているので意見の食い違い等もあるかもしれませんが、暖かい目で見て頂けたらなと思います。 又、日々、生体を繁殖させている中で今よりもっといい方法を見つけた場合は記事内容に斜線をひいて変化していくと思いますが、ご了承ください。 実際に繁殖させている生体はyou tubeやInstagramに載せている為、お時間がありましたら参考にしてください。