アクアリウムを年間を通して楽しむ場合、どうしても、アクアリウム水槽の水温管理に苦労するようになると思います。
水草が状態良く育つ適正水温は23~27度前後と言われています。
又、水草だけではなくアクアリウムで楽しむことが多い熱帯魚は赤道に近い熱帯~亜熱帯に生息、分布している種類が多いです。
その為、如何に水温を保っていくかが重要になってきます。
初めのうちは水槽用クーラーや水槽用ファン、水槽用ヒーターでアクアリムを楽しむことが多いと思いますが、そうした中で、少しずつ飼育や繁殖、水草の育成ができるようになってきてどんどんアクアリウムを楽しむことができるようになってきます。
アクアリウムを楽しむことができると知らず、知らずのうちに水槽の数が増え、中々上記の方法の管理では難しくなってくると思います。
今回は一年を通して水温管理をする上で最後に到達することが多いエアコン管理について分かりやすく説明していきたいと思います。
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エアコンについて
エアコンは皆さんご存じだと思いますが、エア・コンディショナーと言われていて、室内の空気の温度や湿度などを調整する機械です。
現在までに5台程、ブリードに使用している建物のエアコンを交換していて、現在のエアコンはかなり機能が多く、性能が良くなっていると感じます。
私が実際に経験して選ぶ際に気をつけている点を下記に書かせて頂きます。
エアコンを購入する前に確認することについて
室内機の設置場所について。
ブリードに使用する部屋に、エアコンの室内機をつけるにあたって、天井まで7cm以上、左右は5cm以上、下は10cm程度のスペースが必要になってきます。
最低でも、すべての方向に5cm程度は開けてくださいとお店でも言われるかと思います。
その理由は、エアコンは室内機から部屋の空気を取り込み、取り込んだ空気を室外機で冷やして、冷やした空気を再度部屋の中に送り込むことで、部屋の温度を下げています。
その為、室内機の周りにスペースがないと、エアコンは充分な量の空気を取り込むことができなくなります。
充分な空気を取り込めないと、部屋の温度を効率的に冷やすことができなくなるからです。
室外機が室内機のそばに設置できる場所があるか。
室外機と室内機の距離が離れている場合、室外機と室内機の間をつないでいる配管が長くなってしまいます。
そうすると折角、室外機で冷やした空気は配管を通っている間に温かくなってしまい、部屋に届く頃には温度が上がった状態になってしまいます。
配管が長いと効率的に冷やすことができないため、電気代は上がりやすくなってしまいます。
その為、なるべく、室内機と室外機の距離は短い方がお勧めです。
壁面の横幅が少ない方につけることができるか。
エアコンを設置するにあたり、中々正四角形の部屋はないと思います。
部屋を暖めたり、冷やしたりするにあたり、エアコンの風があたる面積が広ければ広い程、効率的に部屋の温度をコントロールすることができます。
長方形の部屋の場合、短辺が短い壁側につけることで、風の当たる面積が広くなり、短時間で狙った室温にすることができます。
部屋のコンセントの形状について。
エアコン専用のコンセントは100V(15A、20A)と200V(15A、20A)の四種類の形状があります。
プラグの形状がそれぞれ、違ってくるため、確認して写真も撮っていくのがお勧めです。
実際に購入する際に失敗したことがあります。
エアコンを購入する際に確認することについて
エアコンのサイズ表記を気を付ける。
エアコンのサイズは暖房、冷房共にそれぞれカタログやお店のディスプレイに畳数の目安が記載されています。
例えば、8~10畳用と記載されていますが、実際にこの畳数ですべての部屋に使用できるわけではありません。
このような記載がされている場合、木造平屋南向き(和室)の場合が8畳、鉄筋マンション南向き中間層(洋室)が10畳で使用できるということです。
何故、こうゆう記載をされているかと言いますと木造住宅よりも鉄筋住宅のほうが密閉率が高い為、同じ広さでも室温を調整できる畳数が変わってきます。
また、暖房と冷房のサイズ表記は同じ畳数ですが、一般的に暖房の方がパワーを必要とし、消費電力も大きくなります。
その為、冷房の畳数を目安にエアコンを選ぶと冬場に中々部屋が加温されず、エアコンの効きが悪く感じると思います。
もし、エアコンのサイズ表記が冷房と暖房別々に記載されている場合、暖房に合わせて畳数を選ぶのが安心です。
サイズ表記が一個しかされていない場合は部屋のサイズより一つ大きいサイズのエアコンを選ぶと冬場に部屋が温まらないという事態を防ぐことができます。
実際に私は初めてのエアコン購入の際に失敗して真冬は中々、部屋が温まらなくて困りました。
部屋の向きを考慮する。
先ほど、エアコンのサイズ表記にも注意が必要と書きましたが、部屋の向きによっても変化してきます。
南向きの部屋は、夏場、日差しが入り室温が暑くなりやすいため、エアコンのサイズ表記だけではスペック不足になり、中々狙った室温にすることが難しいです。
その為、日当たりの良い部屋に住んでいる場合、実面積プラス2畳ほどサイズを上げた方が安心です。
エアコンのメーカーや機能について
現在のエアコンは多種多様な機能が沢山ついています。
しかし、個人的にはブリードルームに使用するエアコンは全ての機能がついている高級な機種は必要ないかなと思っています。
24時間365日稼働しているため、機能がついていればついている程壊れやすく感じます。
また、どうしてもエアコンを24時間365日使用しているとフィルターに埃や菌が繁殖する可能性があるため、掃除をする必要がありますが機能が多いと外して掃除するのが大変でした。
私的には省エネ性能がついているエアコンであれば、自分の好みのエアコンのメーカーのものを購入したらいいと思います。
実際に様々なメーカーの機種を使用してみて水槽部屋では24時間365日稼働していて尚且つ、湿度が一年中高いせいかエアコン等の家電は5年持ったことがないです。しかし、現在の所、ダイキンのエアコンが7年程壊れず現役で稼働しているため、次購入するエアコンもダイキンにしようかなと考えております。
ダイキンのエアコン(Eシリーズ)の気に入っている所は0.5度単位で室温を調整することができるため、水槽内の水温を調整しやすい所です。
また、室内機と室外機自体がコンパクトで尚且つ外気温が-15度から50度まででしたら止まることなく稼働するという所が気に入っています。
エアコンのメーカーや機種によっては外気温が寒すぎたり、暑すぎたりすると正常に稼働しないことがあり、アクアリウムを楽しむ上で死活問題に発展します。
その為、そういった点が大丈夫かどうか確認する必要があります。
エアコンを使用するメリットについて
機器トラブルが少なく好きなだけ水槽が置ける。
アクアリウムルームで多いトラブルとして水槽用ヒーターの故障に伴う水温上昇や水温低下が多いと思います。
どうしても、24時間シーズンの間、ずっと稼働しているため、水槽ヒーターは壊れやすく水槽が増えれば増えるほど、使用する個数も増える為、故障するリスクは上がっていきます。
今までに水槽用ヒーターが壊れて、水温上昇し、35度以上になり、生体が亡くなってしまうということがありました。また、熱帯魚の種類によっては水槽用ヒーターが壊れて水温が低く、熱帯地域に住んでいる熱帯魚が亡くなってしまうということがありました。
他にも、水槽用ファンを使用していましたが、真夏日に予想以上に気温が上昇し、水槽内の水温が冷えず、生体が亡くなってしまうということもありました。
水槽部屋をエアコンで一括管理することにより24時間365日狙った水温にすることができ、また、水槽を増やしたいという時には水槽部屋にスペースがあれば、水温を気にせず、簡単に水槽を増やすことができます。
私はアクアリウムを始めた後、パルダリウム等の亜熱帯植物にも魅力を感じ、現在、はまっているため水槽が置けないスペースでも植物を楽しんでいます。
冬に温度管理が必要な植物を気軽に部屋に置けるというのも趣味の幅が広がると思います。
他の機器に比べ、エアコン自体が壊れる可能性はかなり低い為、安心してアクアリウムを楽しむことができると思います。
水槽の数が多い場合、光熱費を安く抑えることができる。
最近のエアコンは省エネ性能が高く、昔に比べるとかなり、電気代が安くなってきております。
その為、水槽用ヒーターや水槽用クーラー、水槽用ファンを沢山使用する場合に比べると電気代が安くなる可能性があります。
実際に昔検証しましたが、水槽用ヒーターを10個以上使用している部屋よりエアコン管理の方が金額自体も安く、又水槽用ヒーターによって蒸発する水を頻繁に足さないといけないという手間もなくなりました。
エアコンはつけたり消したりしていると電気代が高くなりがちですが、24時間365日つけっぱなしにしていると部屋の気温が一定に保たれている為、結果的に電気代自体も家にいるときだけつけてる部屋の電気代に場合に比べると安いです。
すでに部屋についていることが多く、音が静か。
賃貸の方は特にそうかもしれませんが、部屋を借りる際にすでにエアコンが取り付けられていることが多いと思います。
また、持ち家の場合でも、エアコンがないという家庭は今の温暖化の進んでいる日本では少ない為、初期導入の費用も安くすむ可能性があります。
稼働音自体も水槽用ファンや水槽用クーラーに比べるとかなり、エアコンは音が静かで寝室等寝るような場所でもアクアリウムを1年中楽しむことができるも大きなメリットの一つだと思います。
エアコンを使用するデメリットについて
水槽の場所によっては水温のムラが出る。
部屋全体をエアコンで空調コントロールする場合、水槽用クーラーや水槽用ファン、水槽用ヒーターと違い、一つ一つの水槽を狙った水温にするのはどうしても難しいです。
何故かと言いますと、冷たい空気は下側に、暖かい空気は上側にいきやすいです。
お風呂を思い浮かべて頂くと分かりやすいですが、お風呂を貯めてしばらくしてから入ろうとするとお風呂の底の方が冷たく感じると思います。
温かい水は冷たい水よりも軽く、水が一番重くなる温度は4度です。
それより温度が高くなればなるほど、軽くなっていく為、下の方から温めるお風呂の水も、温まって軽くなると上へあがっていくし、冷たくて重い水ほど下に沈むようになっています。
空気も同じです。
その為、水槽の位置や高さ、エアコンからの距離によってどうしても水槽の水温に数度の差が出てしまいます。
その為、できれば簡易的なものでもいいので水温計を設置するのがお勧めです。
もし、可能であれば、ニチドウのように最高水温と最低水温が分かるものがあると便利です。
基本的に24時間水槽を眺めることができる人は少ないと思うので、在宅していない時に部屋の水槽内の水温変化がどのくらいだったか確認することでよりエアコンの温度を細かく調整することができるからです。
また、水槽の位置による水温の差についての対策としてはサーキュレーターを使用するのがお勧めです。
エアコンの風だけでは拡散できない空気を拡散してくれるため、部屋全体の温度と湿度を一定に保つことができます。
個人的には部屋のサイズより、2畳ほど大きいサイズのものを購入するのが安心だと思います。
より、部屋の温度ムラが気になる方は、ダイキンから販売されているアシストサーキュレーターを使用すると、温度変化やお部屋の温度ムラ(暖気だまり/冷気だまり)を軽減するよう風量を自動でコントロールしてくれるので、使ってみるのもいいかもしれません。
まとめ
今回の記事を簡単にまとめます。
・部屋にエアコンがついていない場合、購入する前に、室内機、室外機の設置場所や距離を確認する。
・コンセントの形状も気を付ける。
・エアコンのサイズ表記(暖房、冷房の記載)について注意する。
・水槽部屋にエアコンを設置すると、アクアリウムの趣味の幅が広がる。
・好きなだけ水槽を設置できる。
・水槽の高さや位置によって水温ムラがでる可能性はある。
アクアリウムを楽しむ上でエアコンがあると水槽の本数やスペースの有効活用(熱帯植物や塊根植物等他の趣味への応用)ができたりしてより趣味を満喫できる為、お勧めです。
また、地味に水槽用クーラーや水槽用ファン、水槽用ヒーターの数が多いと細かなトラブルに悩まされる頻度が上がるため、そのような安全面に対しても安心できるかと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。