アクアリウムの基礎

ブラインシュリンプを孵化させる実際の方法(皿式)について分かりやすく説明します。

今回は実際にブラインシュリンプを孵化させる方法について記載させて頂きたいと思います。

ブラインシュリンプを孵化させる方法は皿式と孵化器と2種類あります。

今回は皿式の実際のやり方について説明させて頂けたらなと思います。

ブラインシュリンプについてや孵化させる8つのポイント、孵化器の場合については下記記事を参考にして頂けたら幸いです。
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ブラインシュリンプを皿式で行う為の考え方

ブラインシュリンプを孵化させる方法で1番簡単なやり方は皿式です。

皿式とは文字通り、エアレーションを行わないで、お皿やタッパー等の容器に塩水とブラインシュリンプの卵を入れて孵化させるという方法です。

ブラインシュリンプを孵化させるにあたって最低条件は光と溶存酸素量と塩分濃度です。

光。

光は強ければ強い程ブラインシュリンプを孵化させるにあたって孵化効率はいいですが、水槽用ライトの木漏れ日でも孵化させることができます。

溶存酸素量。

溶存酸素量とは分かりやすく説明しますと水の中にどのくらいの酸素が溶けているか表しています。

水の中に溶ける酸素量の上限は水温と溶存塩類濃度(塩分濃度)と気圧によって変化します。

水温が高ければ高い程、水の中に溶ける酸素量は減ります。

塩分濃度が高ければ高い程、水の中に溶ける酸素量も減ります。

その為、皿式でブラインシュリンプを孵化させるにあたってなるべく表面積が多い容器で水深が浅めで使用することをお勧めします。

エアレーションをしなくても空気と塩水が接している部分から酸素を取り込むことができます。

容器の塩水と酸素が接している上の部分は溶存酸素量が多いですが、空気と塩水が接していない下の部分は溶存酸素量は少なくなってしまいます。

イメージ的には酸素が溶け込んでいる上の部分で蓋をされている感じです。

その為、沢山の量のブラインシュリンプを孵化させる際はエアレーションをして水流を作ることで蓋がされないようにしています。

皿式では沢山のブラインシュリンプを孵化させない為、エアレーションがなくても大丈夫です。

しかし、孵化率を上げるためにはなるべく表面積が多い容器で水深を浅くすることが大切となってきます。

塩分濃度。

塩水濃度は最近では3%前後がいいとされていますが、塩分濃度が濃くなると成長速度が速くなり酸素消費量が増えたり溶存酸素量も少なくなるため今回はソルトレイク産のブラインシュリンプを孵化させるのに当たって1.5%前後で行ってみました。

水500mlに対して塩が8gです。

ブラインシュリンプを皿式で実際に孵化させる方法

塩水の作成。

水500mlに対して今回は塩8gで行ってみました。

水は水道水で大丈夫です。

水道水の温度はあらかじめ30℃前後の物を使用します。

水温が30℃前後ですと塩がしっかりと水に溶けることやなるべく早く孵化するように初めから高めにしています。

塩水をタッパー等の大きめの容器に移す。

しっかりと塩が水に溶けたことを確認してから塩水を容器に移します。

沢山容器に塩水を入れても下側の溶存酸素量は少ない為、広めの容器に大体1~2cmの水深で行うと孵化率が上がります。

ブラインシュリンプの耐久卵を塩水に投入する。

塩水の中にブラインシュリンプの耐久卵を塩水に入れます。

ブラインシュリンプの耐久卵は今回0.5gでおこなってみました。

エアレーションを行わない皿式では塩水の溶存酸素量が多くない為、多く入れすぎても孵化しない耐久卵の量が増えてしまいます。

耐久卵を入れた後、塩水が耐久卵に浸透するよう少しかき混ぜて沈むようにします。

容器を水槽の蓋の上や水槽の光が当たる位置に設置する。

容器の設置場所は水槽の光が当たりやすい水槽の蓋の上や容器の水温がなるべく低くならないように水槽の上に浮かべて洗濯ばさみ等を使用して固定してください。

容器を浮かべたりしないで設置すると冬は室温が低かったりして孵化するのに時間がかかってしまいます。

逆に夏の場合は温度が高すぎて孵化しなかったりする可能性があります。

24時間経って孵化しました。

今回はブラインシュリンプ用に容器内が30℃になるよう加温している水槽があるので、その上で孵化させてみました。

12時間程経つと少しずつ孵化し始め、24時間で写真の量孵化しました。

オレンジ色の物が孵化したブラインシュリンプです。

茶色く写っているのが孵化しなかった卵です。

白く写っているのが孵化したブラインシュリンプの卵の殻です。

孵化しなかった卵や卵の殻が入らないようスポイトで吸って分離します。

ブラインシュリンプは走光性という習性といって光に集まる習性をもっています。

その為、分離する際に容器を斜めにしてライトを真ん中に当ててしばらくすると孵化したブラインシュリンプが集まってきます。

そうすると上に浮いている卵の殻と下に沈んでいる孵化しなかった卵の間にある空間にブラインシュリンプを集めることができるので、分離しやすいです。

分離ができたらメッシュカップがあると便利です。

孵化器で孵化する時に比べて耐久卵を入れる量が少ない為、孵化した水はそこまで汚れていませんが、なるべく水槽の中に入らない方が水質が悪化する可能性を少なくすることが出来るため、安全です。

スポイトで分離したブラインシュリンプをメッシュカップに入れて水をきって生体のいる水槽に入れてあげてください。

水を切った後、メッシュカップをこのようにして斜めにして飼育水をかけてあげるとブラインシュリンプがメッシュカップの下に溜まって水槽の生体に与えやすいです。

ブラインシュリンプの皿式での孵化率

プラケースの写真の通り、皿式でブラインシュリンプを孵化させる際の孵化率はそこまで、良くないです。

何回か試しましたが、6割孵化していたらいい方だと思います。

どうしてもエアレーションを行わない為、溶存酸素量が少なく、ブラインシュリンプの耐久卵を少しにしていても孵化しない卵が沢山出てしまいます。

ブラインシュリンプを実際に皿式で運用する方法について

稚魚や生体の数が少ない場合は皿式でも問題ないと思います。

現実的に考えると広めの容器を何個も用意して24時間ごと2~3個の容器を設置して運用していかないと孵化できるブラインシュリンプの量が少ない為、追いつかなくなる可能性があります。

まとめ

簡単に今回の記事のポイントをまとめます。

・なるべく、光があたる所に容器を設置しましょう。

・水温によって孵化時間が変わってくるため、なるべく水温が低くなりすぎたり高くなりすぎたりしないようにしましょう。

・水深が深すぎると容器の下側の溶存酸素量が低くなるため、1cm~2cm前後にしましょう。

・分離する際はブラインシュリンプには集光性があるため、光を活用しましょう。

今回は気軽にブラインシュリンプを孵化することができる皿式について書かせて頂きました。

いきなり孵化器を購入してブラインシュリンプを孵化させるのはハードルが高いなと思う方も多いと思いますので、是非悩んでいる方は1度試してみてください。

実際に試してみて皿式だとブラインシュリンプの量が追い付かないよという方には孵化器がお勧めです。

最後まで見てくださりありがとうございました。

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XYL1SH
アクアリウムという趣味がもっと気軽に出来て繁殖の面白さを知ることができたら楽しいのではないかと思い、記事を書き始めました。 私が培ってきた経験や知識を元に書いているので意見の食い違い等もあるかもしれませんが、暖かい目で見て頂けたらなと思います。 又、日々、生体を繁殖させている中で今よりもっといい方法を見つけた場合は記事内容に斜線をひいて変化していくと思いますが、ご了承ください。 実際に繁殖させている生体はyou tubeやInstagramに載せている為、お時間がありましたら参考にしてください。