アクアリウムの基礎

アクアリウム(熱帯魚、甲殻類、水草)に使用する水について解説します。

普段何気なくアクアリウムで使っている水や飼育水ですが、アクアリウムを構成する中で水がとりわけ重要というのは言うまでもないと思います。

今回はアクアリウム(熱帯魚、甲殻類、水草)で何気なく使っている水について考えていきたいと思います。

今回の記事では下記について書いていきたいと思います。

Contents

アクアリウム(熱帯魚、甲殻類、水草)にとって理想の水とは。

熱帯魚や甲殻類、水草をアクアリウムで楽しむ為には水は必須項目となっています。

どのような水を使用して飼育水を作っていくことが、熱帯魚や甲殻類、水草にとって理想の環境なのか考えていきたいと思います。

本来、熱帯魚や甲殻類、水草は自然の川や海にいます。

自然界では雨が降ったりすることで絶えず水は入れ替わっています。

又、自然にある岩や砂がろ材の役割をしてバクテリアが水を綺麗にして岩や砂からミネラルが溶け出て熱帯魚や甲殻類、水草にとって理想の環境が作られています。

アクアリウムでは水槽の中で一緒に飼育している熱帯魚や甲殻類、水草は本来は自然界に生息しており、生体の種類によって理想の水は厳密に言うと変わってきます。

例えば、コリドラスパラレウス(コルレア)はブラジル北西部のネグロ川支流のイサナ川に生息しています。

南米は雨季と乾季で水質が変わってくると思いますが、イサナ川はタンニン等植物由来の腐食酸が水に溶け出ていて薄いブラックウォーターになっています。

下の土は細かい白砂が敷き詰められていてイサナ川の中にある流木や枯れ葉が適度にあり、その中に隠れながら生活をしています。

Phは6.0程度で熱帯で絶えず川が流れている為水温は23度~27度前後ということが現地の環境を考えると想像できると思います。

メダカであれば、元々の黒メダカは日本の田園地帯の綺麗な小川に生息しています。

このように厳密に言うと理想の水は元々の熱帯魚や甲殻類、水草によって生息していた場所が違う為、理想の環境は変わってきてしまいます。

自分自身が飼育、繁殖、育成してみたい熱帯魚、甲殻類、水草の生息環境を知ることが大きな第1歩だと考えています。

アクアリウム(熱帯魚、甲殻類、水草)で使用できる日本の水について。

アクアリウム(熱帯魚、甲殻類、水草)に使用できる水は大きく分けて3つあると思います。

水道水

日本でアクアリウム(熱帯魚、甲殻類、水草)に1番使用しやすいのは水道水だと思います。

日本の水道水は河川や池、雨水等をダムで貯めたものを自然の汚れを取り除き、塩素消毒されて各家庭の蛇口から出てくるようになっています。

日本の水道水は水質水準が厳しく決められていて、51項目の基準をクリアしないといけないと水道法で定められています。

細かい詳しい基準値を知りたいという方は厚生労働省のサイトをご覧ください。

簡単にまとめさせていただくと、水道水の水質基準は生涯にわたって水道水を飲用しても人の健康に影響を生じない水準を元にして更に安全率を加味、又、水道水を使用するにあたり生活上に支障を生じる恐れのあるもにについて基準値が設定されています。

あくまで、人間を基準にしているため、人間よりも体の小さい熱帯魚や甲殻類、水草に水道の水をひねってそのまま水槽に使用することは適していません。

何故かと言いますと、水道水には必ず塩素によって感染症の原因である病原微生物の消毒をしています。

塩素によって水槽内の微生物や熱帯魚、甲殻類、水草が影響を受ける可能性があります。

その為、カルキ抜き等の薬品や日光、エアレーション等でカルキを抜いてあげる必要があります。

他にも、1980年代まで日本では鉛製の給水管(家庭に引き込むための管で主に本管からメーター器までの間)が柔らかく施工性にも長けていたため、使用されていました。

現在では、ポリエチレン製に変更されてきていますが、未だ多くの地域では鉛製の給水管が手つかずになっており、鉛製給水管から鉛が溶けだし水が汚染される可能性が残存しています。

実際に私の周りの地域でも鉛製給水管からポリエチレン製にする工事が終わる予定は2029年とのことでした。

又、長期的に使用されている水道管は水道管内部が錆びている可能性があり、塩素で消毒された水道水が通ることで、より赤さびが増悪している可能性があります。

人間には影響がないかもしれませんが、そのような水を水槽内にそのまま使用することは水槽内の微生物や熱帯魚、甲殻類、水草に影響がある可能性があります。

その為、水道水を使用される場合、1番のお勧めはアクアリウム用の浄水器を使うことです。

水道水は河川や池、雨水をダムで貯めたものを使用しているため、その土地の岩や用土、環境によってマグネシウムやカルシウム等のミネラル分だけでなく水質も変化してきます。

どんなにいろんなやり方を試してみても飼育できなかったり、繁殖がうまく行かない場合もしかしたら原因が水道水にある可能性があります。

1度住んでいる地域のHP等で水質結果を確認してみると安心できるかと思います。

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井戸水

井戸水は地下の水脈にある地下水をくみ上げている天然の水です。

地下水は場所や水をくみ上げる深さ、その時の天候の状況によって水質が変化しています。

場所によってはトリクロロエチレン等の化学物質や雑排水等の汚水の地下浸透による汚染が起こる可能性があるため、使用する井戸水は毎年、水質検査されていると安心です。

RO水

RO水とは水道水や天然水をRO膜(逆浸透膜)でろ過した水のことです。

0.0001マイクロメートルの超微細な孔がRO膜(逆浸透膜)には開いており、不純物を含んだ水道水や天然水に圧力をかけて純水を作ります。

0.0001マイクロメートルの超微細な孔を通り抜けた綺麗な水がRO水(純水)です。

0.0001マイクロメートルの超微細な孔を通り抜けられないミネラルや有害物質は非純水(廃棄水)として排水されます。

RO水をアクアリウムに使用する場合、RO水にはミネラル分が一切ない為、RO水にミネラル分を添加して使用する必要があります。

まとめ

簡単に今回の記事のポイントをまとめます。

・自分自身が飼育してみたい熱帯魚、甲殻類、水草の現地の環境を調べてみる。

・水道水を使用する場合は塩素を除去してから使用する。

・水道水をアクアリウムに使用する場合は浄水器を使用することが一番安全である。

・井戸水を使用する場合は水質検査を毎年行い、問題ないか確認する必要がある。

・RO水を使用する場合、純水の為、ミネラル分を添加して使用を行う。

実際にアクアリウム(熱帯魚、甲殻類、水草)を飼育、繁殖する上でうまく行かない場合、1度水について見直してみるのがいいかもしれません。

最後まで見てくださりありがとうございました。

ABOUT ME
XYL1SH
アクアリウムという趣味がもっと気軽に出来て繁殖の面白さを知ることができたら楽しいのではないかと思い、記事を書き始めました。 私が培ってきた経験や知識を元に書いているので意見の食い違い等もあるかもしれませんが、暖かい目で見て頂けたらなと思います。 又、日々、生体を繁殖させている中で今よりもっといい方法を見つけた場合は記事内容に斜線をひいて変化していくと思いますが、ご了承ください。 実際に繁殖させている生体はyou tubeやInstagramに載せている為、お時間がありましたら参考にしてください。