繁殖行動を行うことができるけど、中々親のサイズにまでもっていくことができないといった悩みを抱えている人は多いと思います。
その中でも、稚魚が生まれていざ、意気揚々とブラインシュリンプを沸かしてみたら稚魚の口が小さく食べられないということが結構多いと感じます。
しかし、ワムシを稚魚に与えるために繁殖させて維持、管理するというのは初心者~中級者ですと中々大変だと思います。
今回はキョーリンから出ているクリーンワムシという冷凍餌の特徴、メリット、デメリットについて分かりやすく解説させて頂いたらと思います。
この記事を読むことで、ワムシを沸かさなくても累代繁殖できる可能性がおおいにあると思います。
今回の記事では下記について書いていきたいと思います。
Contents
キョーリンクリーンワムシの特色について
キョーリンにはクリーンシリーズという様々な生き餌を種類別に冷凍させたジャンルがあります。
その中でもワムシを冷凍させたものがクリーンワムシです。
3ステップ殺菌
クリーンワムシはUV照射を含めた3ステップ殺菌を行っています。
1次殺菌では紫外線殺菌を使用しているそうです。紫外線を照射している赤虫の体表面には十分な殺菌効果がありますが、赤虫の体内には不完全な効果しかなかったそうです。
その為、2次殺菌、3次殺菌と行い、体内の殺菌も十分に行われているそうです。2次殺菌、3次殺菌については独自の方法みたいで載っていませんでした。
3ステップ殺菌をすることで、エロモナス菌や大腸菌群は全く検出されないそうです。
11種類のビタミン複合体、DHA、EPA含有
ワムシの体内に、魚の成育に不可欠な11種類のビタミン複合体や、特に海水魚の必須脂肪酸DHA、EPAを取り込ませています。
淡水魚だけではなく、カクレクマノミ等の海水魚に必要なDHA、EPAが含まれている為、海水魚の稚魚育成、サンゴにも使用できるよう配慮されています。
包装について
包装にもこだわっており、PTP包装を使用しています。
PTP包装(プレススルーパッケージ)とは錠剤やカプセル等の薬が空気に触れて乾燥したり酸化しないように包装されている銀紙のものと同じです。
成分、容量について
成分は粗蛋白質:4.5%、粗脂肪:1.2%、粗繊維:0.5%、水分:93.0%でした。
原料は、ワムシ、水、DHA、EPA、ビタミンE、安定型ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12です。
内容量は50gで40カプセルです。1個当たりのg数は約1g前後でした。
右の写真が沸かしたブラインシュリンプで左の写真がクリーンワムシです。
ブラインシュリンプに比べると少し色は薄いです。
キョーリンクリーンワムシのメリット
キョーリンのクリーンワムシを使用するメリットは2つあります。
ワムシを沸かさなくていい。
本来、ワムシを生体に与えるにはワムシを培養する必要があります。
しかし、ワムシを培養するのは初心者から中級者にはとても手間がかかり難しいです。
他にもワムシを沸かす為にワムシの餌となる濃縮クロレラを毎月購入する必要があります。
毎月購入する必要があるのは濃縮クロレラの消費期限が30日と短い為です。
ワムシを培養しなくていいことは1番のメリットと言えると思います。
忙しい時にも気軽に与えることができる。
普段、仕事をされている方は朝とても忙しいと思います。
キョーリンのクリーンワムシの場合、冷凍庫から出して水槽に入れるだけなので忙しい朝でも気軽に餌を与えることができます。
又どうしても自宅を数日仕事や用事で開けなくてはいけないことが1年の間にでてくると思います。
そうした場合でも冷凍餌だと、家族や友人に頼みやすいです。
キョーリンクリーンワムシのデメリット
キョーリンクリーンワムシを与えるデメリットは1つあります。
慣れるまでは食べない場合がある。
冷凍餌全般に言えることですが、生体によっては動いているワムシや生き餌じゃないと中々食べない場合があります。
その為、最初は餌を与えていても意味があるのかなと感じると思います。
しかし、1度食べられると分かれば、それ以降生体自体も慣れ、沢山食べるようになるため少し根気が必要です。
現在の所、コリドラス、メダカ、マクロストマ等私が繁殖させている個体は全て食べることが出来ています。
クリーンワムシを与える方法
稚魚や生体が沢山水槽にいる場合は1個をそのまま水槽に入れてもいいと思います。
しかし、ほとんどの場合、ただ沈めるだけだとクリーンワムシが水槽内でまってあまり食べられずにスポンジフィルター等のろ過器に吸われてしまうことが多いと思います。
ですので、できたらクリーンワムシをメッシュカップに入れて水道水で解凍するのがいいと思います。
解凍したクリーンワムシを水流の少ない部分に1回で食べきれる量スポイトで与えるのがお勧めです。
クリーンワムシと実際の生体の比較
クリーンワムシと実際の生体の比較をしていました。
1番上の写真の生体は1.2cm程のコルレアです。
かなりクリーンワムシが小さく見えると思います。
2番目の写真は生まれて餌を食べられるようになったばかりの0.4cm程のコルレアです。
3番目の写真のメダカは1.3cm程です。
この写真のコルレアも1.2cm程です。
この写真で与えている餌はブラインシュリンプです。
こうして写真で比較するとブラインシュリンプよりクリーンワムシの方が小さいのが分かると思います。
まとめ
簡単に今回の記事をまとめます。
・クリーンワムシは3ステップ殺菌されていて衛生的。
・11種類のビタミン、DHA、EPAが含まれており、淡水魚だけでなく海水魚の稚魚にも与えることができる。
・メリットとしては気軽に与えることができ、手間もかからない。
・デメリットとしては生き餌にくらべると少し食いつきが悪い。
・与える際は稚魚が1回で食べきれる量を少しずつ与えるのが良い。
中々稚魚の育成が上手くいかない時は口のサイズが小さく餌を上手に食べることができず、餓死していることもあるので、これを機に見直すのもいいかもしれません。
ワムシを食べることができ、ある程度成長してきたら生体の体や口のサイズに合わせてブラインシュリンプや、イトミミズ、アカムシ、人工餌等に移行していくと良いと思います。
最後まで、見てくださりありがとうございました。