1度はアクアリウムを楽しむうえでミジンコという言葉を聞いたことがあるかもしれません。
ミジンコはブラインシュリンプを食べられるサイズやもう少し大きいサイズになった時に代替品の生き餌としてよく使われています。
しかし、今までに生体を繁殖させたことがなかったり、人工餌しか使用したことがない方にとってはハードルが高く感じられると思います。
今回はミジンコの特徴やメリット、デメリットについて分かりやすく説明させて頂きます。
今回の記事では下記について書いていきたいと思います。
Contents
ミジンコとは
ミジンコとは水中でプランクトンとして生活する微小な甲殻類です。
大きく分けると鰓脚綱枝角亜目(タマミジンコやオオミジンコ)、貝形虫亜綱ミオドコーパ目あるいはカイミジンコ目(カイミジンコ)、カイアシ亜綱(ケンミジンコ)と呼ばれる三種類に分けることができます。
カイミジンコやケンミジンコはソイルを敷いて水草水槽やレッドビーシュリンプ等の繁殖をしたことがある方は自然に沸いてきたものを1度はみたことあるかもしれません。
現在、アクアリウムで生き餌として使用されることが多いミジンコは鰓脚綱枝角亜目(タマミジンコやオオミジンコ)です。
見た目は横からみるとひよこのような形をしており、体は頭部を除き二枚貝のような背甲に覆われています。
背甲の下に卵を抱えて孵化するまで蓄えています。
ミジンコには、自分と同じクローンしか産まない単為生殖期と、交配して子孫を残す有性生殖期があります。
単為生殖期とは、環境の良いときはメスだけで、繁殖してみじんこの赤ちゃんが産まれることです。
有性生殖期は気候の変化により水温の変動が激しくなったり餌の量が減ったりして、ストレスがかかることで、オスを産んで繁殖し、耐久卵を残そうとします。
ですので、アクアリウムで生き餌としてミジンコを増やす場合、主に単為生殖ができるよう環境を整えてあげる必要があります。
ミジンコの大きさについて
ミジンコの種類によってサイズが異なってきます。
アクアリウムで生き餌として利用されることが多いミジンコは大きく分けて2つあります。
タマミジンコ
1つ目はタマミジンコです。
タマミジンコの親の大きさは最大で約1mm程です。
タマミジンコの殻は他のミジンコに比べ、柔らかい為、稚魚等のサイズが小さい生体でも食べやすいです。
ダフニアオオミジンコ
2つ目はダフニアオオミジンコです。
ダフニアオオミジンコの親の大きさは最大で約5mm程あります。
タマミジンコに比べると親のサイズが大きい為、メダカサイズの生体でしたらダフニアオオミジンコの親は捕食できません。
ミジンコのメリット
ミジンコは水を汚しにくい。
ミジンコはデトリタスや細菌、植物性プランクトン、藻類を食べ、増殖することができます。
その為、水槽や外で飼育する際に餌として与えた場合でも落ちることが少ない為、水を汚しにくいです。
夏に外で生体を飼育している場合、植物性プランクトンが増えグリーンウォーターになることが多いと思います。
グリーンウォーターになり、水温が上昇すると植物性プランクトンも呼吸を沢山するため、水中の酸素飽和度が少なくなり、酸欠に陥る可能性があります。
しかし、ミジンコが入っていると植物性プランクトンを捕食する為、真夏でもグリーンウォーターにもなりにくいです。
嗜好性が高く飽和給餌しやすい。
購入してすぐの生体は中々、環境の変化に適応できなかったりして餌を食べないことがあります。
生体の種類によっては人工餌をあまり食べず、やせ細って調子を崩す場合もあります。
しかし、ミジンコのような生き餌は人工餌に比べ、嗜好性が高い為、環境がある程度変わった後でもスムーズに食べることができる場合が多いです。
生体が生き餌に慣れてくると人工餌の餌付けもスムーズにいくことが多いです。
人工餌に慣れた後でも、定期的にミジンコを給餌することをお勧めします。
何故かというと毎日こまめに1日何回かに分けて食べきる量を生体に与えるのがベストだと思いますが、現実的に仕事や家庭があると1日に何回も餌を与えることは難しいと思います。
ミジンコでしたら容器や水槽内で生きることができるため、生体がお腹を空かせたタイミングでミジンコを捕食して食べることができ常に満腹状態を維持することができます。
ミジンコのデメリット
安定して培養するのにコツがいる。
ワムシを培養するのに比べるとミジンコは難しくありませんが、ミジンコもワムシ同様、ある日突然全滅する恐れがあります。
ダフニアオオミジンコに比べるとかなりタマミジンコはその傾向が強く感じます。
ダフニアオオミジンコは3年程買い替えずに累代繁殖できていますが、タマミジンコは中々難しいです。
培養するにあたって、全滅を避けるために容器を何個かに分けて培養するのがお勧めです。
1つの目安としてミジンコは過密になり、溶存酸素量が少なくなってくると血中のヘモグロビンが増えるために赤くなります。
ミジンコが赤くなってくると過密ぎみなので、ミジンコを間引く必要があります。
ミジンコの餌自体も手間がかかったり期限がある。
タマミジンコを培養する場合、個人的には濃縮クロレラを与えるのが1番安定してタマミジンコを培養することができ、手間自体もそんなにかからないと思います。
しかし、濃縮クロレラは生きたクロレラを濃縮している為、冷蔵庫で保管して2週間から1か月という消費期限があります。
現在、インターネットやお店等で購入できる濃縮クロレラはクロレラ工業株式会社さんで販売されている生クロレラ10リットルを小分けに詰め替えたものが多いです。
大元の濃縮クロレラの消費期限によって到着後の生クロレラの期限が異なってくるので、確認すると安心です。
注意したい点として購入時、常温で送ってくる場合がありますが、なるべくクール便で発送している所で購入するのが大切です。
何故かと言いますと生きたクロレラを濃縮しているため、常温で発送されると到着直後は分からないかもしれませんが、中で死んでしまっていたり、変色してしまっている可能性があります。
クロレラが死んでいる場合、ワムシが上手く培養できなかったり、全滅してしまう可能性があります。
タマミジンコに比べ、ダフニアオオミジンコはそこまで神経質にならなくても培養することができます。
ダフニアオオミジンコを培養する場合、やはり1番は濃縮クロレラを使用するのがベストですが、ホウレンソウパウダーや夏の屋外でできたグリーンウォーターの水でもある程度安定して培養することができます。
まとめ
簡単に今回の記事をまとめます。
・ミジンコは大きく分けるとタマミジンコとダフニアオオミジンコがいる。
・タマミジンコは約1mm程でダフニアオオミジンコは約5mm程のサイズである。
・ミジンコは淡水で生きることができるため、生体が食べ残しても水を汚しにくい。
・人口餌に比べると嗜好性が高く、飽和給餌しやすい。
・全滅する恐れがあるため、容器は分ける必要がある。
・濃縮クロレラを使用する場合、賞味期限や発送方法に注意が必要である。
ミジンコは生き餌の中でもある程度安定して培養しやすい為、人気があります。
ミジンコと人工餌を組み合わせることで飽和給餌することができるので、是非試してみてください。
最後まで見てくださり、ありがとうございました。