アクアリウムの基礎

アクアリウムで使用する底床(砂利、砂、ソイル)を使うメリット、デメリット、使い分けについて分かりやすく説明します。

アクアリウムを始めるにあたって低床にも様々な種類があり、何を使用したらいいか分からないと思う人が多いかと思います。

今回はアクアリウムで使用する底床(砂利、砂、ソイル)を使うメリット、デメリット、使い分けについて分かりやすく解説させて頂けたらなと思います。

この記事を読むことで砂利、砂、ソイルを使うメリットやデメリット、使い分けについて分かるようになると思います。

今回の記事では下記について書いていきたいと思います。

ベアタンク飼育について

画像のように地面に何も底床を敷かないで、飼育することをベアタンク飼育と言います。

ベアタンク飼育では水換えや掃除がしやすいことや水槽にろ過器以外入れないことが多い為、生体の存在感が増すというメリットがあります。

その為、ベタタンクでの飼育は餌を沢山食べて水質を悪化させやすい大型魚や肉食魚、又、小型魚を過密飼育する場合に多く使われます。

他にも、ブリードを行うにあたって選別を多くする必要がある場合、生体を掬いやすくするために使用したりすることが多いです。

デメリットとしては水質コントロールができないと生体の飼育や繁殖が難しいです。

その為、今回は底床に注目して記事を書いていきます。

底床のメリットについて

底床の役割は全部で4つあります。

自然な体色になったり本来の体色より濃くなる。

底床の役割の1つ目は水槽の底に底床を敷くことで生体の色を本来の体色に変化させます。

熱帯魚や甲殻類はまわりの色によって体の色が変化する為、底床がないとガラスが反射し、熱帯魚や甲殻類の色が本来と色と違い、薄くなってしまいます。

分かりやすい生体ですとメダカが有名ですね。

メダカは水面から差す光と底床から反射する光の量の差を感知して体色が変化します。

その為、容器によってメダカは顕著に体色が変化します。

水槽の中でも底床の色によって生体の色合いが変わってくるため、なるべく本来生息している地域の底床がどのような色や素材を使用しているか調べてみるといいと思います。

生体を落ち着かせる。

2つ目は底床を敷くことで、生体を落ち着かせる作用があります。

底床がないと、部屋の光や水槽のライトの光が飼育者の動きで変化して底床に反射することで、生体自体が落ち着かなくなってしまいます。

底床を敷くことで、生体によっては本来の自然界と同じ動きをします。

例えば、コリドラス等は底床に顔を突っ込んでモフモフしたりして可愛いです。

ろ過バクテリアの収納数が増える。

3つ目は底床を敷くことで、砂や砂利に水を綺麗にするろ過バクテリアが付着しやすくなります。

どうしてもベアタンクですと、ガラスやアクリルの表面にしかろ過バクテリアは付着しません。

しかし、底床を敷くことで砂利や砂が重なり、平面ではなく、立体的になるため、表面積が多くなり、より多くのろ過バクテリアが付着しやすくなります。

その為、ベアタンクに比べると水換えの頻度や水を換える量を少し減らせることができます。

水草を植えることができる。

ベアタンク飼育ですと水草を底床に植えることができません。

しかし、底床を敷くことである程度の厚さがあれば、水草を植えたりしてレイアウトも楽しむことができます。

又、水草を植えることで、葉や根から栄養塩を吸収してくれるため、ベアタンク水槽に比べ、亜硝酸や硝酸塩等が溜まりにくいです。

底床のデメリットについて

掃除がしにくい。

 

ベアタンク水槽に比べると、ソイルや川砂、砂利の中に食べ残しの糞や排泄物が入り込んでしまう為、掃除をする際に少し手間がかかります。

その為、プロホースをソイル内に差して汚れを吸い出す必要が出てくる場合があります。

水槽のサイズにかかわらず、プロホースのサイズはSサイズよりLサイズの方が使い勝手がいいです。

川砂や砂利の場合はソイルのように砕けたりしにくい為、手でかき混ぜて汚れを浮かせてあげるといいです。

網に底床が入りやすい。

生体を掬う際にどうしても底床があることで網に引っ掛かったり、網の中に底床が入ることがあります。

又、底床に水草等を植えていると選別をする際に見落としや時間がかかる可能性があります。

砂利、砂について

砂利や砂にも色々な種類があります。

選ぶ際に様々な粗目や形状が丸いか、やや角ばっているか、鋭く尖っているのか等違いがあるため、袋の中を覗いて観察するといいです。

砂利や砂が尖っていたり、角ばっていると底床で生活しているようなコリドラス等の生体の皮膚を傷つけてしまったり、髭が切れてしまう要因になります。

大磯

神奈川県の大磯海岸で採取されていたものを元々、「大磯」と呼んでいましたが現在では採取することが出来なくなってしまったため、似たような砂利を大磯という名前で販売していることが多いです。

フィリピンのBucao川域で採取されているフィリピン砂という物も同じようなものです。

アクアリウムに使用されることが多い大磯のサイズは中粒、小粒が多いです。

大磯には貝殻が入っていることが多いのでPHが上がり、アルカリ性に少し傾くとも言われることが多いですが、実測してみるとほとんどPHが上がっていなかったため、メダカ等の熱帯魚を飼育する上ではそこまで気にしなくても大丈夫です。

珪砂

白褐色の砂利で成分は大理石と同じ石灰岩でできているため、硬度が上がりやすく、弱アルカリ性に傾けやすいです。

熱帯魚を育成する際に過密ぎみで育成すると残り餌や糞により水質が酸性に傾きやすいので、大磯と混ぜて使用したりすることがあります。

サンゴ砂

サンゴ砂は主成分が炭酸カルシウムでできています。

その為、水に溶けて水質をアルカリ性にします。

弱アルカリ性の水質を好む外国産のグッピー等に使用することがありますが、PHが上がりすぎてしまう為、ほとんど単体で使用することはないと思います。

熱帯魚を育成する際に過密ぎみで育成すると残り餌や糞により水質が酸性に傾きやすいので、サンゴ砂や珊瑚を取り出しやすいようにネットに入れて水質調整に使ったりすることがあります。

不織布タイプの水切りネットやティーバッグに入れて使用することが多いです。

そのように水質調整に使う場合はパウダー状の方が水に溶けやすいので、徐々に酸性に傾くように大きいサイズのサンゴを使用することもあります。

川砂、田砂

川砂や田砂は河川や水田から採取されています。

その為、採取された場所によって含まれている成分が違う為、一応使用する際はPHを調べてから使用すると安心です。

川砂によっては採取地が日本国内やアンデス山脈周辺等と書いてくれてある場合もあります。

田砂や川砂は細かい為、底面フィルターや外部フィルターを使用する場合、工夫をしないとフィルター内に入ってしまい、目詰まりする可能性があります。

ソイル

ソイルは天然の土壌を水槽内で使いやすいように焼き固めた土です。

メーカーによって土自体に栄養分を添加していたり、焼き固める際の温度や焼却する時間を独自に変えています。

その為、商品によってコンセプトが全然違います。

固く焼いているソイルは水分量が少なく、多孔質になっているため、ソイル自体の栄養分自体も少なくバクテリアがソイルの表面積に増えやすいです。

柔らかく焼いて固めているソイルはソイル自体にも栄養分を添加していることが多い為、水草水槽等でよく使われています。

柔らかく焼いている為、水槽内に養分が溶けだしやすくソイル自体も徐々に細かくなっていくので、使用するろ過器を選びます。

アクアリウムで使用するソイルの種類やメリット、デメリット適正な厚さについて分かりやすく解説せて頂きましたのでよろしければ参考にしてください。
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まとめ

簡単に今回の記事のポイントをまとめます。

・底床を使用することで、様々なメリットがある。

・デメリットとしては掃除がしにくかったり、網に底床が入ることがある。

・砂利や砂、ソイルを選ぶ際は形状や大きさ、成分に注意する必要がある。

・砂利や砂、ソイルを選ぶ際はろ過器を選ぶ可能性がある。

砂利や砂、ソイルをひくことで様々なメリットがあるので、生体飼育がうまくいかない場合は底床を見直してみてもいいかもしれません。

最後まで見てくださりありがとうございました。

ABOUT ME
XYL1SH
アクアリウムという趣味がもっと気軽に出来て繁殖の面白さを知ることができたら楽しいのではないかと思い、記事を書き始めました。 私が培ってきた経験や知識を元に書いているので意見の食い違い等もあるかもしれませんが、暖かい目で見て頂けたらなと思います。 又、日々、生体を繁殖させている中で今よりもっといい方法を見つけた場合は記事内容に斜線をひいて変化していくと思いますが、ご了承ください。 実際に繁殖させている生体はyou tubeやInstagramに載せている為、お時間がありましたら参考にしてください。