アクアリウムを始めるにあたり、底床の種類は選ぶことが出来たけど、底床の厚さはどのくらいがいいのか分からないと感じる人が多いかと思います。
今回はアクアリウムで使用する底砂の厚さによってメリット、デメリットが変わってくるため、底床を薄く敷く場合と厚く敷く場合のメリット、デメリット、目的別の目安となる厚さ、底床の計算方法について分かりやすく解説させて頂きます。
目的別の厚さについて分かりやすく解説させて頂けたらなと思います。
この記事を読むことで自分にあった底床の量や高さを考え、選ぶことができるようになると思います。
今回の記事では下記について書いていきたいと思います。
Contents
底床を薄く敷くメリット
底床を薄くひくメリットは3つあります。
嫌気層が出来にくく、硫化水素が溜まりにくい。
水槽の中に底床をひいて水を入れてろ過器を設置すると水槽内に水流が生まれます。
水流が生まれることで、水が循環するようになり、飼育水の汚れた水がろ過器を通り、硝化細菌によって水が綺麗になります。
水流があるため、底床の表面にもソイルや砂利の隙間に通水性が生まれ、バイオフィルムにバクテリアが活着します。
底床が薄いと通水できなくて酸素がいかない嫌気層が出来にくい為、硫化水素ガスが溜まりにくいです。
有機物が底床内で腐敗しにくい。
底床が薄いと生体の糞や枯れ葉、残り餌等の有機物が底床の中に入り込んで腐敗するといったことも起こりにくいです。
どうしても底床を厚くひくと底床の隙間から徐々に奥に入り込んでしまい、底床内で腐敗しやすいです。
掃除がしやすい。
底床を薄くひいていると掃除の際に掃除しやすいです。
川砂や大磯の場合は、手でかき混ぜるように底床を擦るだけで底床内の生体の糞や枯れ葉、残り餌等の有機物が簡単に浮いてきます。
その為、浮いた汚れをプロホースやバケツで外に排出してあげるだけで除去できます。
又、バイオフィルム等の汚れも底床が薄いとかき混ぜるだけで底床内についたバイオフィルムは除去することができます。
水槽の表面についたバイオフィルムはスポンジやろ過マット等を使って擦ることですぐ落とすことができます。
バイオフィルムとは分かりやすくいうとお風呂場や台所にできるぬめりと同じです。
河川や川に入ると小石や砂利についているぬめりと同じものが水槽内にも起こります。
バイオフィルム内には嫌気性菌や好気性菌や様々な微生物が生息しており、その中には病気の物となるものも繁殖する可能性があります。
その為、定期的に水替えのタイミング等で掃除してあげるといいです。
底床を薄く敷くデメリット
底床を薄くひくデメリットは1つだけあります。
水草が植えられない。
底床が薄いとどうしても水草を植えることができません。
その為、水草を水槽に設置したい場合、水草を鉢植えに植えて水槽内に設置したり、浮草等の用土に植えない水草を楽しむという方法に変更する必要があります。
底床を厚く敷くメリット
底床を厚くひくメリットは2つあります。
脱窒ができる可能性がある。
底床を厚くひくと底床内でも飼育水が通水できない場所ができます。
そうすると底床内で酸素が行かない場所が出来ます。酸素が底床内に行き渡らないことで底嫌気層ができ、嫌気細菌が湧きます。
嫌気細菌が増えると嫌気細菌(脱窒菌)が硝酸塩呼吸を行うようになり、硝酸塩を窒素に変換します。
そうすることで、水換えを行わなくても、硝酸塩が増えなくなります。
根の張る水草を植えることができる。
底床が厚いことで、根の張るような水草を楽しむことができます。
クリプトコリネ等のランナーで増える水草を楽しむ場合、どうしても底床が厚くないとランナーが伸びにくいように感じます。
又、ネイチャーアクアリウム等の水草をメインに楽しむ場合は底床が厚くないと水草が繁栄しているように見えないです。
底床を厚く敷くデメリット
底床を厚く敷くデメリットは3つあります。
立ち上げ時の水質管理が難しい。
水槽をたちあげる際にソイルを使用する場合、どうしても水槽内の飼育水にソイルの栄養分が溶け出てしまいます。
栄養分が多いソイルであれば、厚く敷けば敷くほど、栄養分が飼育水の中に溶けだします。
ソイルの栄養分が飼育水に溶け込んでも、水槽を立ち上げたばかりの時は水槽内にまだ硝化細菌等が十分に繁殖していない為、生体を入れてしまうと飼育水に溶け込んでいるアンモニア等により、毎日少しずつ亡くなってしまう可能性があります。
又、飼育水に栄養分が多く溶け込んでいると様々な苔が水槽内で増殖し、水槽内の景観を脅かす可能性があります。
その為、厚くソイルを敷く際は換水を多く行ったり、水槽内に十分な硝化細菌が増殖するまで、生体を入れないで立ち上げる等の手間がかかります。
初心者の方は水質をどのようにしたら安定させられるのか分からない中手探りで行うことが多い為、生体を繁殖したり飼育したい場合には少し難しいと思います。
底床の掃除が大変。
底床を厚く敷いているとどうしても底床の中まで、汚れが入ってしまいます。
底床が厚ければ厚い程、下の方の汚れをしっかりと掻き出すことは難しいです。
その為、どうしても水質が悪化しやすいです。
硫化水素が漏れ出てくる可能性がある。
底床を厚く敷くことで嫌気層ができ、脱窒を行うことができます。
しかし、長期的に水槽を管理していると底床が水圧や有機物の蓄積により締まりがちになり、どんどん嫌気領域が増えてくる可能性があります。
その為、条件が揃うと硫化水素の発生源になる可能性があります。
硫化水素が何かの拍子に飼育水内に漏れ出ると生体が調子を崩したり亡くなってしまう原因になります。
ジャンル別目安となる底床の厚さ
大体ですが、個人的に飼育を行っていて目安となる厚さをジャンル別に書かせて頂きます。
水草水槽
有茎草を植える場合、底床は少なくとも3センチ以上ないと植えるのは難しいと思います。
底床が5cmぐらいですと植えやすいです。
底床は一番下に軽石を敷き、その上に目の大きめの底床を敷き、その上に細かい底床を敷くと底床内にある程度の通水性が生まれ、水草自体も根が張りやすくなります。
ミクロソリウムやブセファンドラ、浮草等の底床に植えなくてもいい水草では底床はそんなに厚くしなくても大丈夫です。
熱帯魚、メダカ、甲殻類水槽
熱帯魚や甲殻類をメインに飼育、繁殖する場合、底床の厚さは薄い方が長期管理する上で扱いやすいと思います。
個人的には、水槽の底が見えるくらいの厚さから3cmくらいまでがお勧めです。
レッドビーシュリンプ等の甲殻類を飼育する際に水草もある程度植えて楽しみたい場合でも、底床が3cmあれば、植えることができます。
私はこのようにエビ水槽でもクリプトコリネストリオラータの群生を作って楽しんでいます。
大型魚、肉食魚
現在は飼育しておりませんが、アロワナやディスカスを飼育していた時は底床を敷かないベアタンク方法か敷いても底床が見えるくらいしか敷いていませんでした。
どうしても残り餌や糞の量が多い為、飼育水や底床が汚れやすく綺麗に掃除できないからです。
ソイル、大磯、川砂の計算方法について
底床の厚さをある程度決めることができると底床の量を計算することができます。
なるべく、生体を飼育、繁殖したい場合は底床の量を常に同じくらいにすることで、再現性が生まれやすくなります。
その為、使用する底床量は繁殖する上である程度一緒にすることが大切です。
底床の量を計算する場合、ℓ表記とg表記ですと計算方法が変わってきます。
その為、計算する前に単位を確認する必要があります。
ℓ計算の場合
水槽の横幅cm×水槽の奥行cm×底床の高さcm÷1000です。
60cmレギュラー水槽を使用されることが多いと思いますので、60cm水槽で計算してみます。
水槽の横幅60cm×水槽の奥行30cm×底床の高さ3cm÷1000=5.4ℓとなります。
ℓで計算した場合、メジャーカップ等で底床の量を計ると均一に計ることができるので、お勧めです。
kgの場合
kgの場合、商品によって比重が変わってくる為、中々計算することが難しいと思います。
個人的には重さを計りながら希望の高さまで底床を入れ、目標に達したkgを覚えておくと次から同じように立ち上げる際安心だと思います。
デジタル台計りは物によって計ることができる上限が決まっている為、確認してから購入すると間違いがないと思います。
まとめ
簡単に今回の記事をまとめます。
・底床を厚く敷くか、薄く敷くかでメリット、デメリットが変わってくるため、どちらが自分にあっているのか考える。
・その上で自分の行いたい飼育内容に合わせて希望の底床の高さを決める。
・ℓとkgで考え方が変わってくるため、しっかりと確認を行う。
初めてアクアリウムを始める場合、自分の飼育したい生体や水草によってどのくらいの底床の厚さや量が必要か考える必要があります。
中々、思ったように水槽が管理できない場合、底床の厚さを変えて再度行ってみるのもいいと思います。
最後まで、みてくださりありがとうございました。