専門店に行かないと中々みることがないろ過構造をしているのが、オーバーフロー水槽だと思います。
オーバーフロー水槽はろ過システムとしての効果が高く、普段のメンテナンスも簡略化でき、人気がありますが、システムの構築が大変だったり、価格自体も高価な為、あんまり、考えたことがない方も多いかと思います。
様々なろ過器がある中で、今回はオーバーフロー水槽の特徴やシステム、メリット、デメリットについて細かく解説させて頂きたいと思います。
本記事では下記について書いていきたいと思います。
Contents
オーバーフロー水槽の特徴について
凄く、簡単に言ってしまうとオーバーフロー方式は上部フィルターが水槽の上ではなく、水槽に下についているのと一緒です。
上部水槽と違うのは、濾過槽が大きく、水量がとても多いということです。
基本的なオーバーフロー水槽の仕組みは水槽の飼育水が下の濾過槽に水の落差を利用して流れていきます。
流れた飼育水が、ろ過槽を通って、綺麗になった後、水中ポンプで水槽の中に組み上げられます。
オーバーフロー水槽に使用する機材について
まず、本体となる水槽が必要になります。
また、オーバーフロー水槽を格納する専用のキャビネットが必要になってきます。
キャビネットを購入する場合、低価格のキャビネットに使用されるパーティクルボードは水に濡れたりすると膨らんで経年により見た目が悪くなったり耐久性に問題が出る可能性があるため、できれば、合板を使用しているものが安心だと思います。
その次にキャビネット内に入るサイズのろ過槽が必要になってきます。
ろ過槽はキャビネット内に入れば、大きければ大きい程ろ過能力が上がるため、安心ですが、濾過槽自体が高価になったりろ材量も多く必要になるため、予算が多く必要になります。
ろ材に関しては以前、記事にまとめた為、参考にしてみてください。
後はろ過槽から水をくみ上げる為の、揚水ポンプが必要になってきます。
大きなシステムに使用するものは上記の物で、他にはホースと配管が必要になってきます。
配管の仕方については様々なサイトで分かりやすく書いてくださっているので、今回は割愛させて頂きます。
オーバーフロー水槽のメリットについて
オーバーフロー水槽のメリットは5つあります。
水量が多く、立ち上げ後に水質が安定しやすい
オーバーフロー水槽は他のろ過システムと違い、水槽の下の部分に濾過槽があり、分離しています。
その為、普通の水槽では水量を多くしたい場合、水槽のサイズを大きくしていく必要があったり、水槽のサイズに合わせて、ろ過器も再度購入しないといけなくなります。
しかし、オーバーフロー水槽の場合、一度購入してしまえば、他の水槽サイズの倍近く水量がある為、ほとんどの場合、大型魚を沢山飼いたいとかなければ水量に困ることはないかと思います。
水量が多いと立ち上げ後の水質自体も安定しやすいため、初心者や仕事が忙しくて、水質を中々こまめに見たりすることができない人にお勧めだと思います。
また、大型魚や肉食魚のような高蛋白な餌を沢山食べて水を汚すような生体を飼育している場合でも水量が多いため、水換えの頻度が他のろ過システムに比べると減らせる可能性があります。
ろ過能力が高い
水槽の下にろ過槽があり、ろ過槽のスペースが広い為、多くのろ材やウールマットを使用することができます。
その為、他のろ過システムに比べると、ろ材を多く使用したり、ウールマットを入れたりすることができるため、ろ過能力が高いです。
また、自分の飼育している生体に合わせて物理ろ過を強化したり、生物ろ過を強化したりアレンジもしやすいと思います。
水槽に手をいれやすくメンテナンスしやすい
上部ろ過やスポンジフィルターや外部ろ過はどうしても水槽内や水槽の上をろ過システムが覆ってしまい、水槽の中に手を入れにくくメンテナンスや生体を掬ったりする際にストレスがかかってきます。
しかし、オーバーフロー水槽ですと、水槽の上部や中にろ過器が入ることがないため、水槽内のスペースを有効活用しやすくメンテナンス性も高く感じます。
オーバーフロー水槽を連結することができる
アクアリウムショップや専門店等に行くと見かけることが多々あると思いますが、ベタとかの一匹飼育でないと喧嘩をしてしまうような生体は小型水槽に1匹ずつ入れて飼育することが多いと思います。
しかし、小型水槽単体では水量が少なかったり、ろ過器を入れるとスペースがなくなってしまいます。
そうした時に小型水槽を連結させてオーバーフロー水槽にすると一個一個の水槽に入っている水量は少ないですが、システム全体でみるとすべての水槽の水がオーバーフローシステムを介して繋がっているため、水量やろ過能力は大きくなります。
そうすると水質自体も小型水槽単体に比べ、格段に安定しやすくなります。
見た目が綺麗で、インテリアにもなりやすい
他のろ過システムに比べると、キャビネット内にオーバーフロー水槽のシステムを隠せることができるため、見た目が綺麗でスタイリッシュな為、インテリアにもなりやすいと思います。
近年では、病院や医院、飲食店や美容院等でも置かれていることが多いかと思います。
オーバーフロー水槽のデメリットについて
オーバーフロー水槽のデメリットは2つあります。
知識と導入するまでにお金が多くかかる
他のろ過器に比べるとシステム導入時に多額のお金がかかります。
導入する際にもフルセットを購入しない場合、オーバーフロー水槽に使用する機材についてで書かせて頂いたものを自分自身で購入して配管していく必要があります。
また、メンテナンス間隔をあけることはできますが、配管作業やメンテナンス等にも知識が必要な為、いきなり始めようとする場合、ハードルが高いと感じるかもしれません。
小型な生体だと吸い込まれる可能性がある。
オーバーフロー水槽ですと、水の落差を利用して濾過槽に水を引き込む為、小さい生体ですと、濾過槽に吸い込まれる可能性があります。
他のろ過システムですと吸い込み防止のためにスポンジ等を使用して予防しますが、オーバーフロー水槽の場合、スポンジが詰まった際に水の落差を利用して水を落とすことができなくなる可能性があります。
そうすると揚水ポンプからくみ上げられた水だけが水槽内にどんどん入って水槽から水があふれる可能性があります。
どうしても小さい生体も飼育したい場合、スポンジだと詰まる可能性があるため、吸い込み口に台所のネットや洗濯用ネットを加工して使用するのが安全だと思います。
まとめ
簡単に今回の記事のポイントをまとめます。
・オーバーフロー水槽は右の落差を利用して濾過槽に水を引き込み揚水ポンプで水槽内に水を戻して循環させている。
・水量が多いことやろ過面積が広い為、水質が安定しやすい。
・水槽内に手を入れてメンテナンスしやすい。
・水槽を何個も連結させることができる。
・見た目が綺麗で、インテリアにもなりやすい。
・知識と導入までの金額が大きい。
アクアリウムを楽しみたいけど、中々メンテナンスしていたりする時間がなかったり、水槽を毎日見ることが出来ない方にとっては一度水質が安定すれば、メンテナンス期間や水換えの間隔もある程度あけることが出来るシステムだと思います。
導入までに多くの金額を使用しますが、手間暇を考えると、長い眼で見ると凄くコストパフォーマンスも良いかと思います。
最後までまで見てくださりありがとうございました。